成人女性の4~5人にひとりはもっている良性の腫瘍自分に筋腫があることを気づいていない人も
子宮筋腫は、子宮の筋肉の一部にできる良性の腫瘍です。成人女性の4~5人にひとりは、子宮筋腫をもっているといわれていますが、自覚症状がないケースも多いので、筋腫があることに気づいていない人も少なくありません。
なぜ筋腫ができるかは、はつきりわかっていませんが、卵胞ホルモン(エストロゲン)の影響で大きくなり、閉経すると自然に小さくなる傾向があります。良性の腫瘍なので、それが悪性のものに変化したり、ほかの場所に転移したりすることはありません。
筋腫のできる場所はまちまちで、できる場所により「筋層内筋腫」「粘膜下筋腫」「漿膜下筋腫」の3つのタイプに分かれます。また、ふたつ以上の筋腫が同時にできることもあり、・これを「多発性筋腫」といいます。筋腫の大きさも米粒ぐらいのものから、大人の頭ぐらいの大きさまでいろいろあります。
筋腫ができる場所や筋腫の大きさなどによって違いますが、月経血の量が多くなるのがI般的な症状です。月経期間が長くなり、あまりの出血量の多さから貧血を起こすこともあります。大きくなった筋腫が膀胱や腸を圧迫することで頻尿や便秘になる、寝込んでしまうほどの月経痛に悩まされる、腰痛になるなど、症状のあらわれ方はさまざまです。
ただし筋腫のできる場所によっては’あまり自覚症状がないこともあり、筋腫がかなり大きくなっていても、「なんだか下腹が太ったみたい」と感じるだけの人もいるようです。ぽっこりとふくらんだしこりに触れて、筋腫に気づくケースも少なくありません
子宮の筋層内にできる筋腫で、全体の70%前後がこのケ-ス。筋腫が小さいうちは症状はほとんどないが、大きくなってくると月経量が増えたり、下腹部痛や腰痛などの症状が出る。
子宮内膜のすぐ下にできる筋腫。小さな筋腫でも、月経量がとても多くなるのが特徴で、貧血を起こすこともある。この筋腫は受精卵の着床のさまたげになることがあり、不妊の原因になりやすいといわれている。
子宮の外側をおおっている漿膜にできる筋腫で、子宮の表面にできるものと、子宮がら外に突き出すようにできるものがある。自覚症状が出にくいのが特徴で、かなり筋腫が大きくなっでも気づかないケースも。
子宮筋腫は良性の病気なので、検診などで筋腫が見つかっても、必ずすぐに治療が必要というわけではありません。筋腫の大きさや症状のあらわれかた、妊娠の希望があるかどうかなどによって、その人にあった治療法が決定されるので、婦人科でよく相談することが大切。
自覚症状がなく、日常生活に支障がない場合には、とくに治療はしないで、様子をみていく「経過観察」を行います。この場合、筋腫の大きさなどの検査を定期的に受ける必要があります。
薬によって行う治療方法もあり、痛みには鎮痛剤、貧血には増血剤のように症状を改善するための「対症療法」と、筋腫が大きくなるのを防ぐホルモン剤を使っての「ホルモン療法」があります。
筋腫が大きく、そのせいで不妊になってしまっている場合や、過多月経による症状が薬物療法で改善しないときには、手術による治療が必要となります。手術は子宮を残して筋腫のみを切除する方法(筋腫核出手術)と、子宮を全部とって根治させる方法(子宮全摘出術)があります。